「今のうちに、感謝を伝えます」中学生の息子が外食先で言った言葉
息子が中学1、2年生だった頃、二人で外食に行った日のことを、今もよく覚えている。
食事の途中、息子が急に真顔になって、こう切り出した。
「今のうちに、ちゃんと感謝を伝えておきたい」
YouTubeで見ていたもの
インターナショナルスクールに通っていた息子は、日本語だけでなく英語でも情報を探す。当時見ていたのが、アメリカの、あるYouTubeチャンネルだったという。若くして認知症(アルツハイマー型)と診断された母親が、記憶を少しずつ失っていく日々を、本人と家族が記録して発信していたそうだ。やがて自分の名前も、自分が誰かもわからなくなっていく。その過程を、息子はずっと見ていたらしい。
「いつ母さんがそうなるかわからないし、この先何があるかもわからないから」
息子はそう言って、いつもありがとう、感謝してる、愛してるよ、と面と向かって伝えてくれた。
中学生が、母を目の前にして
正直、驚いた。多感な時期の男の子が、外食先で、親に向かってこれを言葉にするのは簡単なことではない。思い出すだけで、今でも涙が出る。
伝えられないまま何かが起きたら、自分がいちばん後悔する。その動画の中の人が語っていたことを、息子はそのまま自分の言葉にしていた。世界のどこかで誰かが発信しているものが、日本にいる中学生の心を動かし、目の前の親に届く。今はそういう時代なのだと、後になって思った。
我が家ではもともと、「愛してる」も「ありがとう」も、言葉にすることをためらわない。それでも、子どもの側から、あの日、あのタイミングで言われたことには、特別な意味があった。
いつ何があるかわからないから、今のうちに伝える。息子が教えてくれたことを、今度は私からも伝えたい。いつもありがとう、大好きだよ。
子どもとの何気ない時間の中に、こういう瞬間がある。同じように子どもと過ごす時間を大切にしたいご家庭のご相談に、今はDoor to Worldで乗っている。
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