3人の子どもを留学させた母が、留学の相談にのっています

感謝の手紙、何を書いたか。ホストファミリーへ送った3通のこと

「留学して最初の1〜2ヶ月、親がしたこと、しなかったこと」の回で、私はこう書いた。したのは、お世話になったホストファミリーへの感謝の手紙だけ、と。何を書いたのかと聞かれて、古いメールを掘り返した。振り返ってみると、手紙は一度きりではなかった。出発前、2年目、そして卒業のとき。節目ごとに、3通あった。

10月12日は、カナダの感謝祭だ。ホストファミリーの家に、家族が集まる時期でもある。今年送り出したばかりのご家庭に、少しだけ参考になればと思って書いておく。

1通目:出発前、「うちの子はこういう子です」

受け入れてくださる家族が決まったのは、出発の1ヶ月ほど前だった。最初の手紙は、感謝というより自己紹介に近い。夫は父親として、息子のことを正直に書いた。

それまで長く打ち込んできたことを手放したばかりで、いまは次を探している途中だということ。人に気を遣う性格で、同時に、物事をはっきり決める強さがあること。まだ15歳で子どもの部分もたくさん残っているが、大人の前ではなかなか出さないこと。人と打ち解けるのに少し時間がかかること。そして、多感な時期を家族の一員として過ごさせてもらえることへの感謝。

私も一通、書いた。二人とも日本語で書き、現地でお世話になる学校の日本人スタッフの方が英語に訳して、ご家族に渡してくださった。良いことだけを書いた手紙にはしなかった。時間のかかる子だと最初に伝えておくほうが、受け入れる側も楽だろうと思ったからだ。

2通目:2年目、新しい家族へのビデオレター

ホストファミリーは、毎年変わった。1年目の家族はご事情で翌年は受け入れができず、2年目は新しい家族のところへ移った。

その秋、新学期が始まって2日目。始まったばかりなのに、日本にいる私のほうがそわそわしていた。新しいご家族に馴染めているのかしら。飼っている犬と猫と仲良くしている動画は見た。それでも、ご家族に何か送りたくなった。

このとき私は、直接は送らなかった。まず後見人の方に「新しいホストファミリーにビデオレターを送りたいのですが、よろしいでしょうか」とメールで聞いた。返事は「ご家族に対してのものであれば問題ありません。息子さんを通して行ってください」。そのとおりに、息子経由で渡した。

親が前に出すぎないための順番だったと、今は思う。ホストファミリーとの関係は、息子のものだ。親が横から直接つながってしまうと、その関係が親のものになってしまう。

3通目:卒業のとき、英語で書いた

3年目の1月。高校の課程が終わる直前に、息子は「ビザが切れる4月末まで残りたい」と言った。3軒目のホストファミリーは、「学校が終わったあとも、大人として私的な取り決めでうちにいてもらってかまわない」と言ってくださった。責任の所在を確認するために、ホストマザーが学校の担当者、後見人、私、息子を宛先に入れた一通のメールを回した。

その返信の形で、私はホストマザーに、初めて英語で手紙を書いた。訳すと、こんな内容だ。

> 息子を支えてくださっているあなたと皆さんに、心からの感謝を。こんなに温かい方々のもとで、息子がのびのびと成長している姿を見ることは、私たちにとって喜び以外の何ものでもありません。高校を卒業したあとも、ビザが切れるまで、あなた方のもとで過ごせること。優しく、頼りになる方々に囲まれていると分かっているから、私たちは安心していられます。あなたが、そして彼の周りの皆さんが、彼の人生に与えてくださったものの大きさに、感謝してもしきれません。私たちにできることがあれば、いつでも言ってください。

返事は、その日のうちに来た。

> 心のこもったメッセージをありがとう。彼を知ることができて、私たちのほうこそ嬉しく思っています。長くいてくれることも歓迎です。彼はとても優しく、思いやりのある青年です。家のこともよく手伝ってくれるし、ゲームやパズルをしたり、休暇を一緒に過ごしたりするのも楽しい。あなたは、賢くて、人の気持ちがわかる人を育てましたね。いつかお会いできますように。

息子を送り出して3年、いちばん嬉しかった手紙だ。

同じ頃、後見人の奥様からも大学合格を祝うメールをいただいた。「ご家族皆様のお支えあってのこと」と書いてくださったが、私は「皆さんからいただいた温かいご支援が、彼の大きな力になっています」と返した。本心だった。

手紙で気をつけていたこと

3通を並べてみると、自分なりに守っていたことが見えてきた。

  • 最初の手紙は感謝より自己紹介。良い面だけでなく、時間のかかるところも正直に書く
  • 直接送るか迷ったら、後見人に確認してから、子ども経由で渡す
  • 返事を求めない。返事が来たら、それはご褒美だと思う
  • 節目(出発前、家族が変わったとき、卒業)に一通ずつ。頻繁には送らない

親が留学先に直接できることは、本当にこれくらいしかない。だからこそ、その一通は丁寧に書いた。

ホストファミリーとのあいだで、子ども本人に任せた部分については最初の1〜2ヶ月の回に、後見人という仕組みについてはカストディアンの回に書いた。同じように、ホストファミリーとの距離感に迷っているご家庭のご相談に、今はDoor to Worldで乗っている。

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